July 13, 2010

ソーシャルメディアが市民権を得るまでもう一息かな。

参院選の結果は賢い人たちが様々に評価し分析して論評してらっしゃるので、日本の情報に乏しい遠隔地に住んでる私がわざわざ何か書く必要もないような気がしたんですが、一点だけ、備忘録を兼ねて記録しておきたいことが。

今回の選挙は結局ネット上での選挙活動を一部解禁する改正公職選挙法の成立を待たずに実施されてしまったので、ネット上での本格的な政策論議は何も行われなかったわけですけど、それでも、従来からあるマスメディアだけではなく、ソーシャルメディアが世論形成に一定の役割を持ち始める兆候が明らかになったように思いますよ。私が、こんな変な外国にいて日本のテレビはおろか、新聞さえロクに見れないという環境にあることを差し引いても、ネット上での議論の持つ意味が大きくなってきたって感じる。

大手マスコミが、政治家の揚げ足取りに終始する底の浅い記事と、マッチポンプじゃないかって感じの政党支持率調査の結果で覆われるなか、ネット上ではいろんな論客が多様な角度から政治/政策を論じていたよね。ネット嫌いのマスコミさんたちは、ネット上の意見は匿名性が高くで信用できないと批判するけど、たとえ実名じゃなくても確かな視点とクールな頭を持った人の論説、意見は説得力を持って伝わってくるし、むしろ中立を装って、一人称を使わず、誰か他の人の発言を引用したり、政党支持率調査の結果を加工したり、あるいは単に受身形の文章で「〜が望まれる」とか「〜が批判されよう」といった無責任な書き方をして、社会の良識を代表してるようなエラそうな(でも薄っぺらい)論説をぶつマスコミの方がよほど信頼できない。

どうがんばったって、一次情報に接することができない人の方が大多数なのだから、「伝える」という仕事はなくならないはずなんだけど、それが大本営発表的なマスメディアだけでなく、ソーシャルメディアからの伝達が一般の人々にもアクセス可能になったのは、大きな進歩だよね。

日本におけるインターネットの普及率がどのくらいになったのか知らないけれど、もはやネットの世界はマスコミさんが言うような2ちゃんねるとオタばっかりの世界じゃなくなったわけでさ、マスコミによる一方通行のコミュニケーションじゃない、広大な言論空間として機能し始めたって感じじゃないですか?


というような、まとまりののないことをぼんやりと考えていたら、こんな記事が。
「参院選、どこに投票した? ”ネット出口調査”の傾向は」
「Yahoo! みんなの政治」と「ニコニコ動画」がネット上で参院選でどこに投票したかアンケート調査を行ったという話なんだけど、まだちょっと実際の参院選の結果とズレているところがある。ネット出口調査では、実際の結果よりも自民党が支持を得ている傾向があるとか、みんなの党の支持が多いとか。

まだ、ネットに親和的な層と一般有権者の間には差がある、ということでしょうが、やがてその差も小さくなっていくんですかねぇ。

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